FreeBSD98に魅了されたあの頃 ― 486DLCとカノープスで挑んだ日々

2025年9月15日月曜日

レトロPC

t f B! P L



 


今思い返すと、90年代後半に FreeBSD(98) に触れた体験は、自分のPC人生の中でも忘れられない出来事のひとつです。

当時、NECのPC-98シリーズはまだ健在で、Windows 95 も出回り始めていましたが、「UNIX系OSを98で動かす」という挑戦心をくすぐる存在が FreeBSD(98)  でした。秀和システムでで「FreeBSD入門キット: PC-98シリ-ズで今日から始めるUNIX」という本があり、付録のCD-ROMでインストールを試しました。

私が用意した環境は、いまとなっては骨董品のような構成です。

  • 外付け SCSI 2GB HDD にFreeBSDをインストール

  • 拡張メモリ(EMS)で必死にメモリを確保

  • 386マシンを Cyrix製CPUアクセラレータ(486DLC)に換装

  • グラフィックボードは カノープス製 を購入してX-Window動作を目指す

今では笑ってしまうかもしれませんが、XFree86のビルドには 数十時間 かかりました。夜中にコンパイルを始めては、翌朝になってもまだHDDがカリカリ動き続けている。ファンの回転音とHDDのアクセス音が、まるで「挑戦を見守る仲間」のように感じられました。

そして、ついにX-Windowが立ち上がった瞬間。
白黒のシンプルな画面にウィンドウが表示されるだけなのに、「386が486DLCになり、PC-98でUNIXが動く!」という感動は今でも忘れられません。Windowsよりも無骨で、でも確かに「自由にカスタマイズできる自分だけの環境」を手に入れた喜びがありました。

当時はすべてが実機でのトライ&エラー。ドライバが動かない、カーネルが落ちる、設定ファイルに苦戦する。そんな障害のひとつひとつが、逆に楽しくて仕方なかったのです。

FreeBSD(98) は単なるOS移植ではなく、技術者としての好奇心を存分に満たしてくれる存在でした。今では、PC-98本体は処分してしまいしたが、「あの数十時間かけてビルドした夜」を懐かしく振り返ります。


このブログを検索

220Vの中国製製品を買って発生するトラブルまとめ:日本で使う前に知っておきたいポイント

  はじめに 最近は通販サイトで、 安価な中国製の電化製品 を簡単に購入できるようになりました。 特にAliExpress、Temu、Amazonマーケットプレイスなどでは、見た目も機能も魅力的な製品が並んでいます。 しかし、日本の電源は「 100V 」、中国や欧州は「 2...

QooQ