IT業界で働いていると、「オラクルは嫌い」「マイクロソフトには振り回されている」といった声を耳にすることがあります。ではなぜ技術者たちは、この二大巨頭に嫌悪感を持つのでしょうか。
1. 強引なビジネスモデルへの反発
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オラクルは「ライセンス監査」による締め付けで有名です。データベースの利用数を厳しくチェックされ、少しのオーバーでも多額の費用を請求されるケースが報告されています。
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マイクロソフトも Windows や Office を「事実上の標準」として押し付け、バージョンアップのたびに仕様変更や買い替えを迫られることに不満を持つ技術者が少なくありません。
 
2. 技術者の「自由」との摩擦
技術者の多くは「自分の好きなツールで自由に開発したい」という思いがあります。
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マイクロソフトはかつてオープンソースを敵視しており、Linuxを「ガン」と呼んだ幹部の発言は今でも記憶に残っています。
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オラクルはSunを買収後、OpenOfficeを停滞させたことで、オープンソース派から強く批判されました。
 
こうした歴史的経緯から、技術者は「彼らは開発者の自由を奪う存在」と感じやすいのです。
3. 「ロックイン」への警戒感
一度導入したら逃げられない仕組みも嫌悪感の原因です。
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Oracle Databaseは業務システムに深く入り込み、他のDBに移行するのがほぼ不可能。
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Windowsは社内システムやOfficeとの互換性で抜け出せない。
 
「選択肢がない」「縛られている」という感覚は、技術者にとって大きなストレスになります。
4. それでも利用せざるを得ない現実
面白いのは、多くの技術者が嫌いながらも結局は使わざるを得ない点です。
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オラクルDBは金融や官公庁の基幹システムで広く使われています。
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WindowsとOfficeはビジネスの共通言語であり続けています。
 
「嫌いだけど避けられない」──この関係性こそ、嫌悪感を増幅させているといえるでしょう。
5. 最近の変化:マイクロソフトの軟化
一方で、最近のマイクロソフトは大きく変わりつつあります。
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GitHubを買収し、VS Codeを無償で提供。
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AzureでLinuxを正式にサポート。
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「Microsoft loves Linux」というキャッチコピーまで打ち出しました。
 
この姿勢転換は、オープンソースを尊重する技術者たちから好意的に受け止められています。
まとめ
オラクルやマイクロソフトへの嫌悪感は、
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強引なビジネス手法
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技術者の自由を奪う歴史
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ロックイン構造
といった背景から生まれました。 
しかし時代は変わりつつあり、特にマイクロソフトは「敵」から「共存する相手」へと姿を変えています。
技術者としては、過去の不満を忘れずに学びつつも、柔軟に新しい潮流を受け入れていく姿勢が求められるのではないでしょうか。

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